「色彩の質感」展
8月1日(火)〜4日(金)
大阪教育大学柏原キャンパス附属図書館たまごギャラリー
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教養学科芸術専攻美術コース 絵画演習Ⅰ
『色彩の質感』展によせて
もう既に彼ら、彼女らには、絵を描く・作品にすることに対しての基準がある。それに、いかに揺さぶりをかけ、自らの行為(絵を描くこと)に対して再認識させるのか。
授業「絵画演習Ⅰ」では、前段階のブレインストーミングとして、考えてから描くのではなく、描いてから考えるワークショップを複数回行なった後、「色彩の質感」と題した課題をスタートした。これは「濃・淡・中間」の三つの柱を定め、様々な素材や用法を用いることで浮かび上がる現れから、気付きを得ることが目的のものであった。テーマは制作を進めやすいよう、その都度状態に合わせて設定した(「植物」、「人体」、「個々の自由」等)。課題では完成作品が4つできたが、展示作品はその中から制作者自身が選定したものだ。
展示会の企画・広報デザインはもちろんのこと、自らが生み出した表現の形をどのように見せるのか。そのすべてが絵画を制作することの延長線上にあるとし、授業をすすめた。
こんなにも表現することに「慣れた」中で、殻を破った生々しい内側に直面したり、完成作品に対する自分のイメージを一旦一番遠くまで放り投げてみたり。ただ自由に挑戦するだけではなく、学生には制限をそばに感じながらも全力を込めることの重要性に気付き、自分をコントロールする力を身につけていって欲しいと願うばかりだ。
2017年8月1日
絵画演習Ⅰ 担当教員 伊吹拓・寺島みどり